ミニクランプのシステムツール |
力の秘密と使い方
【力の秘密】 |
今までにもミニクランプと同じような働きをさせようとした商品が有りましたが、そのほとんどが勾配の付いた鋼片をネジの力で押し下げると同時に前進させる方法でした、これでは摩擦抵抗を受ける部分が多すぎて肝心な力が出てくれません 摩擦部分は 1) 雄ネジと雌ネジとの摩擦 2) キャップスクリューの頭と座との摩擦 3) 勾配面の摩擦 4) ワークと勾配鋼片との接触面の摩擦 この4箇所の摩擦抵抗部の中で1番大きく摩擦抵抗を受けるのは気が付きにくいのですが4番です、軽くつかむには良いのですがしっかりつかもうとすればするほどCの摩擦が大きくなり、色々の障害が出た経験からミニクランプを作りました |
HC型の場合 ミニクランプHC型は、分離した2枚の鋼片の合わせ目の中心に()(ダエン)形で 20°テーパーの雌ネジを加工し、それに同じ20°テーパーの雄ネジを挿入する事で 2枚の綱片はほぼ平行に広がります (2枚の鋼片はスプリングを介して2箇所をビスで連結してあります)広がりは最高2.5oですが、摩擦抵抗を受ける部分がテーパーネジだけ、それも雌ネジがダエンなのでほとんど線接触に近く、力のロスが少ないのでこの小さなクランプ1個で、最高3,500kgの力を得ることが出来ます 2個のワークの間か、治具の側壁とワークの間に自由に出し入れして締め付けますが、 2片は自由なのでワークが動き易いので治具設計と加工方法に注意下さい |
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VC型の場合 ミニクランプVC型は、基本的にはHC型と同じですが、底面で繋がっています、雌ネジは同じく()形の20°テーパーですが、雄ネジのテーパーが28°になっているので、クランプの開きはV字形に開きます、 開く力はクランプ本体の側面の一部をスプリングに利用しているので、スプリング抵抗が大きくその分HC型より小さくなりますが、開き始めの力はほとんど変わりません 使い方はHC型とほぼ同じですが取り付け穴で底面をしっかり治具に固定して下さい、 これで浮き上がりゼロのバイスになります |
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バイスブロック 直接力を出す物では有りませんが、ミニクランプの力を受ける道具としてミニクランプの力に負けて後ずさりしないように,取り付け用長穴面に5°の勾配が付けて有ります、その上に勾配ワッシャを乗せテーブルと平行にして締めるので、ボルトが伸びるか曲がるかしないと後ずさりはしません、ただT溝と平行に近い場合はボルトごと動く恐れが有りますので2本のボルトで締めて下さい ミニクランプの力が強く、クランプと取り付け位置のずれの関係から必ず僅かではあっても浮き上がりが生じます、簡易バイスとして充分注意してご使用下さい |
【使用上の注意】 |
ミニクランプ HC型の場合 |
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ミニクランプ VC型の場合 |
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力のベクトル ミニクランプ;HC型;VC型;共に長さ方向の力の配分は、左図矢印のように中央が強く端に行くほど弱くなります、 ミニクランプの幅とワーク長の関係で、クランプ両端に力を集中させたい場合は左図青線のようにクランプの中央部を削れば両端に力が集中します |